※第167夜(WJ34号)の後あたりの模造です。






数時間ぶりに会った彼の、その顔は心なしかはりつめていた。



「ウォーカー、」



声をかける、だが反応はない。
俯き加減の顔から覗くのは、感情の見えぬ表情。
その空虚な表情が彼の、衝撃の大きさを物語っていた。



「ウォーカー、」



もう一度、先程よりも強く声をかける。
今度は弾かれたようにその顔が上がった。



「すいませんリンク、何だかぼーっとしちゃってて…」



そう言って苦笑する顔は、いつもと変わらぬ彼であった。
だが一つだけ違ったのは、



その頬を伝う涙。



彼の涙に思わずかける言葉を失う。
それに気づいた彼が頬を押さえるが、
一度溢れだした涙は止まることを知らず流れていた。



「…やだなぁ、こんなつもりじゃなかったのに…」



途切れ途切れの、彼の声。
その声に思わず近付くと、彼はその身を寄せ私の肩に顔を埋めた。



「ウォー…カー?」



その呼びかけに答えはなく、
聞こえてくるのは小さな嗚咽。


いつも大人びた彼が見せた、子供のような涙に動揺してか、
それとも監視者の矜恃が邪魔をしてか。
すぐにその肩を抱くことができず、差し伸べた手が空を握った。








肩を震わせ泣くコドモ、
その押し殺すような泣き声が、
いつまでも耳から離れない。








(Fin)


リンクの肩はアレンの泣き専用←←

167夜を見て即座にリンアレ妄想しました。
あの複雑な表情のアレンを見ると思いっきり慰めたい衝動にかられます。


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