何時だって君は綺麗すぎて、何時だって僕は躊躇ってしまう。




「アレルヤ、顔あげろって」



触れるぐらいの近さから声が聞こえる。
彼の髪が時折僕の頬にかかる。



「そんなに顔伏せてたら意味ないだろ」



そう言って彼は僕の頬に手をあてる。
ミッションへ赴く間際、彼はいつもこうして僕に触れてくれる。
そして僕を送ってくれる。
もう幾度もこんなことをしてきたけれど、何故だか未だに僕は戸惑ってしまって顔を伏せてしまう。


そうして戸惑いながら顔を上げた僕に君は微笑んで口付けを落とす。
そっと触れるくらいの優しいキス。
そして目を開けた僕に彼はもう一度微笑んだ。


綺麗な瞳だといつも思う、二つの淡い緑色。
見つめ返してくるその瞳があまりにも真っ直ぐで綺麗で、
それで僕は戸惑ってしまうんだろう。



「気をつけて行ってこいよ」



そう言って見送る君に
また会いたくて僕は戦い続ける、


僕を見る瞳を
もっと見ていたくて僕は生き続ける。


そんな自分を、なんて愚かだろうと嘲笑せずにいられない。
だけどその瞳から離れることは僕には不可能で。




何時だって僕は矛盾を抱えたまま、
何時だって生きていくしかないのだ。







(Fin)
初書きロクアレ。