まだ日の上りきらぬ朝の中を、足音が響く。
元就のその足はひたすらに目的へと向かっていた。
「なぁ、まだ着かないのかよ」
その後ろを元親の声が追う。
来光を臨むために進める元就の歩みは速く、
二人の間には数歩の開きがあった。
「五月蝿いぞ、少しは辛抱したらどうだ」
「そうは言ってもよ、こう朝早くちゃ適わねぇって」
「全く…普段戦場を駆けずりまわる者の台詞とは思えんな」
時折言葉を交わしあう、
二人の他には誰もいない。
次第に目覚めて行く空の中で、
いつもとは違う静かな時間が流れていた。
「にしても…静かなもんだな」
「…何か言ったか?」
「いいや、何でもねぇよ」
ただ二人だけが静かに存在している。
たまにはこんな時間も悪くはない、
互いの足音を耳にしながら、そんなことを思っていた。
終
web拍手用だったやつです。
二人で日輪拝みにテクテク歩いてるチカナリです。
・・・って説明しないと分からない駄文(苦笑)
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