「…っくしゅん!!」



この音を聞くのもこれで二度目。
小さく鼻を啜る彼を横目に見ながら、人知れずその数を数えていた。


吹く風も少しずつ冷たさを帯びてきた近頃。
夜の寒さも勿論例外ではなく、
先刻から響く彼のくしゃみがその最たる証だった。



「くしゅん!」



続けざまに三度目のくしゃみが、
今度は先ほどよりも盛大に自室に響く。


風呂から出た後にちゃんと髪を拭かないからだとか、
涼しくなったというのにいつまでも腹を出して寝ているからだとか、
思わずそんな言葉が口をつきそうになる。
しかしそれを言ったところで聞く彼ではないだろう。



ならば小言はぐっとこらえ、
今夜は彼のために紅茶を淹れることにした。




甘いミルクティーにひとつまみのジンジャー。
長く冷える秋の夜が、少しでも暖かくあるように。











web拍手用だったリンアレ話。
当時コレを書いた理由は私がジンジャーティー飲みたかっただけという理由←←

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