「…指輪、ですか」
「そう。もし贈ってやるって言ったらどうする、少年?」
そんな言葉を交わしたのはいつの事だったろうか。
「…遠慮しときますよ」
「ひでー、速攻拒否!?」
「だって恥ずかしいじゃないですか、そんなの」
付けているのを誰かに見られたらどうするんです、
そう言うと彼は大げさに肩をすくめる仕草をした。
「そういうのは見せつけるためにあるもんなんだよ」
「どういう理屈ですか全く…」
全くどこまでも彼らしい。
苦笑いする僕に彼が言った言葉、
同時にその笑顔が鮮明に残っている。
「それに代わりになればと思って」
「……?」
「会えない時の俺の代わりにさ」
「またそうやって恥ずかしいことを…」
その時は受け流してしまった、ただ他愛もない時間。
あの時一言頷けば、
この胸の空白は少しは埋まったかもしれないのに。
そうして今一人、空白の指先を見ている。
(Fin)
久々のティキアレっぽいブツです、遠距離なティキアレ。
ミック再登場しないかしらという管理人の気持ちも含まれたものになってます(笑)
本当今何してんだろ奴は…(ぼそり
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