部屋のドアを開けるなり飛び込んできた光景に、
リンクは我が目を疑った。


というのも、つい最近にもこんな光景を見たことがあったからだ。



「…今度は君ですか、ウォーカー…」



深々と頭を垂れてため息を吐けば、
なんだか頭痛までしてくるような気がする。
しかしリンクの嘆きは当の本人に届きはしなかった。




ため息をついてみたところで、

“リンクのベッドの上”で、

ウォーカーが静かに寝息をたてている事実は変わるものではない。



「………」



こんな時どうするべきか



そんな再び訪れた窮地に、
リンクはその場に固まったまま思考を巡らせていた。


このまま部屋に残っても仕事に集中などできないし、
ましてや仕事を諦めて寝てしまう訳にもいかない。

しかも自らの寝床を占領されているということは、
自分はウォーカーのベッドへと行かなくてはならなくなる。


勿論そんな大それたことは到底できる気がしなかった。





結局リンクに残された選択肢は一つ。
以前のように廊下へと戻り、事の成り行きを見守ることだった。



「これは前回よりも質が悪い…」



去り際に残した一言、
だがそんな捨て台詞も、眠る彼を前にしては無意味だった。







(Fin)
184話の二の舞みたいな話です。 どうしても何だか不憫なリンクしか書けない!←
少しは良い目にあわせてあげたいんですがね…(笑)