※第137夜あたりの話(模造)です。






「リンクの髪は金色なんですね」



「………は?」



突然の脈絡のない話に、
我ながらつい、間の抜けた声が出た。





そもそもは教団内の書庫室。

目の前の彼、アレン・ウォーカーに質問に答えてもらうために、
大量の書類と共に書庫室に込もっていたのが始まりだった。


それまで書類をめくり、
ペンを走らせていた音が止まったことに気づいた矢先に、
返ってきた先程の問い。



「…何をいきなり」



「いえ、綺麗な色をしているなぁと思って」



脈絡も何もない問いに呆ける私を余所に彼は喋り続ける。
それをすぐ止めることができなかったのは、
全く不覚という他このうえない。



「淡い柔らかい色ですし…」



そんな暇があったら書類を見て欲しいものだ。
話を続ける彼にそう言いかけ顔をあげた瞬間、
その言葉は立ち消えてしまったのだから。




「まるで、蜂蜜みたいな優しい色ですね」




そう言って浮かべた笑顔に思わず視線が止まった。
目の前の笑顔はおよそ神の使徒とは呼べぬほどのあどけない少年のもの。

その笑みに目を奪われていると、
また彼はふ、と笑う。



「なーんて、お腹が減ってるからですかね。ふとそんなふうに思ってしまって」



それを見てすぐに、反射的に書類に目を落とした。



これは決して動揺ではない、
その笑顔に不覚にも心が揺れたなどと。
そんなことは決してないのだと、
そう言い聞かせて、目の前の彼に悟られぬよう願いながら、
振り切るように視線を逸らした。



「…無駄な話は止めて、書面に集中して下さい」



「はいはい、分かってますよ」



訪れる静寂、
また聞こえてきたペンの音と共に、自身の鼓動が波打っていた。







そう、断じてこれは違うのだ。





(Fin)


リンアレをプッシュしてみました(笑)
カラー絵のリンクをガン見して書いたブツ。
模造ゆえ色々変なところあったらゴメンなさいorz

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