「…何でこんなところに」



夜も更けた頃、一人呟く。

呆気にとられるその傍ら、
そこにあるはずのない彼の顔が、あまりにも近くに存在した。




枕元の気配に気がついたリンクが目を覚ますと、
そこには隣のベッドで寝ているはずのアレンが転がっていた。


目の前に飛び込んだ光景に、寝起きのリンクの頭が混乱する。
そのまま横を見上げると、
アレンが寝ていたはずのベッドは空であり、
その縁にはシーツが垂れ下がっていた。


察するにベッドから転げ落ちたのだと、
覚めきらない頭がようやく合点する。
たがそこから落ちたにも関わらず、当の本人はまだ眠り続けていた。



「それにしても、派手に落ちたな…」



そう溜め息をつき、アレンの顔を覗き込む、
その寝顔に思わずリンクの動きが止まった。






これまで彼を監視し続けていたが、
こんなに近くで寝顔を見たのは初めてのことで。


額にかかる髪から覗く、あどけない表情。


その顔に自分が惹き付けられたことに気付き、
思わずリンクは我に返った。



「全く、しょうがないですね…」



そんな自分を押し隠すようにかぶりを振ると、
傍らのアレンをベッドへと抱え上げる。

だがその間もずっと、
彼のあどけない寝顔は瞼に焼き付いて離れなかった。








抱え上げたその体。
そこから感じたのは、
あたたかな温もりと、穏やかな感情。







(Fin)


リンクに抱えさせたいがためにアレンには寝相悪くなってもらいました←
138夜扉絵の部屋の状態なら、こんなシチュエーションもありかと。
あと抱える時は是非姫抱っこでという王道妄想です(ちょっと)

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