「バレンタインですよリンク!」



そう高らかに叫ぶアレンに対して、リンクの反応は些か冷静だった。



「…あれ?」



拍子抜けしたアレンが、真っ先に非難の声を飛ばす。



「リンクは嬉しくないんですか?折角お菓子がいっぱい食べれる日なのに」



「…君が菓子を食べるのはいつものことでしょう」



頭の中に普段の彼の姿を浮かべながらリンクは答える。
普段あれだけ大量に菓子を食べておきながら、
この日にわざわざはしゃぐ道理もないものだ。


それにバレンタイン=菓子を食べる日という、
アレンの知識には肝心な部分が欠落していた。



「…ってことで、リンク!今日はいっぱいスイーツ作ってくださいね!」



「は…!?」



その言葉がふいにリンクを現実に引き戻す。



「…何故私がそんなことを」



「えーいいじゃないですか、お願いしますよリンク」



渋るリンクにはお構い無しに、満面の笑みでアレンははしゃいでいる。
恋人たちの為の日だというのに、何ともムードのない雰囲気ではないか。
だけどそれが彼らしいと言えばそうなのかもしれない。



「…仕方ないですね、君って人は」



「やった!作ってくれるんですね!」



結局はいつものように自分が折れてしまう。
だが今日という日はそれも大目に見ようと、リンクは準備に取りかかった。



その間にでも、
この日の持つ、もう一つの意味を思い出して欲しいものだと願いながら。







(Fin)


バレンタインなリンアレです!
Dグレの世界じゃバレンタインってどうなってるのという疑問はありますが、
まぁ深いこと考えずに書きました(笑)
にしても自分の書くリンアレは必ずアレンがアホの子になりますね…(苦笑)

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